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三樂文庫

塞王の盾

2022.03.22

石工職人集団、「穴太衆」と鉄砲鍛冶「国友(現在の長浜市)の関ヶ原合戦の前哨戦、大津城の攻防。

主役は飛田匡介、飛田屋副頭。

相手役は「国友」の国友彦九郎。

 

戦国の世にあって、民の死を極めて嘆き、平和のための城作り、石造りを目指す匡介。

一方、圧倒的な技術革新による鉄砲、大筒が同様に最小の被害で戦を終わらせる武器として開発する彦九郎。

どちらもシリアスなテーマ「抑止力」の「守り」と「攻め」

クライマックスは、

大津城を巡り、石垣と大筒の攻防激闘するシーンは、まるで映像を見ているかのように惹き込まれる。

果たして「塞王の盾」とは…

 

佐々木譲氏の「天下城」に続き、直木賞受賞のこの作品、とても面白く、

「穴太衆」の魅力もそこかしこに読み取ることができます。

 

2012年、JAG(ジャパンガーデンデザイナーズ協会)の10周年イベント『継承してゆく風景』で

大阪芸術大学、福原成雄教授の「穴太衆」の解説と

その比叡山坂本の「積み石垣群」をご案内していただきました。

そのせいか、読むほどに想像が膨らみます。

塞王の盾
  • 三樂文庫No:068
  • 著者:今村 翔吾
  • 出版社:集英社
  • 発行日:2021年10月30日

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文章・写真: 三樂編集部