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三樂文庫

時代考証家が行く 瀬戸内海の島探訪「せとうち津々浦々」

2022.06.06

瀬戸内海の島々を57の丁寧なファイルにして綴った探訪記。

700余に及ぶ島々から厳選された島々の歴史や文化が、

時代の変遷とともに移りゆく跡を辿られている。

 

本州と四国を結ぶ本州四国連絡橋ができたのは1988年の「瀬戸大橋」

1998年「明石海峡大橋」そして1999年「しまなみ街道」。

この20〜30年の間にも島の有り様が随分変わった様子も伺えます。

各ファイルの人口も気になります。

少ないところでは十数人の住民しか居られない島。

そこでも最低限のスパンで連絡船が往来して命と生活を繋いでいる。

 

「海賊」の統治も瀬戸内独特だ。

戦国時代は村上水軍のように大きな勢力圏となって活躍した一族もある。

城山三郎著の「秀吉と武吉」で日本の海賊を初めて知った覚えがある。

 

ひとつひとつのファイル(各島々)は似て非なり。

 

歴史や文化を名所や土地の人から紐解く旅は楽しそうで、ページを捲るたびに一緒に同行しているような

錯覚を抱き、あっという間に読み終えてしまった。

著者が撮った写真も旅ならではの100%完璧でないところがいい。

 

そうなると少しでも訪ねてみたくなる。

まだ一度も、ひとつの島の地にも降り立ったことがないので…

時代考証家が行く 瀬戸内海の島探訪「せとうち津々浦々」
  • 三樂文庫No:078
  • 著者:山田順子
  • 出版社:徳間書店
  • 発行日:2022年3月31日

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文章・写真: 三樂編集部