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図解 誰でもできる石積み入門

2021.09.13

「石積み」というと私は主に「お庭の石積み」と「お城の石積み」思い描きますが、

ここでは、農村の棚田や段畑の「石積み」を指します。

 

日本の農地の約4割が中山間地域に存在します。

ですから傾斜地の有効利用の際、必ず「空石積み」が施されています。

今年、静岡県松崎町の「石部棚田」オーナー&トラスト制度に参加して「畦塗り」を初めて経験しました。

 

しんどかった!

 

かなりの高低差のある石部棚田を仕切る擁壁は「空石積み」です。

山の上はみかん畑、急な勾配に棚田、集落があって漁港、その先に駿河湾、青い海、青い空、

極めつけは「富士山」。

美しい風景です。

 

「空石積み」はセメントなどの人工物を使わず特別な資材も重機も必要としません。

地産の石で頑丈な壁を作ることが出来ます。

生態系に優しく、地域暮らしに溶け込む調和の取れた景観は、まさに持続可能な社会、

資源循環社会の優等生ではないでしょうか。

 

その施工についてはわかりやすい写真と図解入で、また道具の説明と使い方など…

この書は「空石積み」のバイブルのようです。

石積み施工入門編ですが、多くの大事なことを教えられます。

基本に忠実に行えばそんなに難しくないはずです。

機会があったら、是非挑戦してみます。

 

著者の真田純子さんは東京工業大学准教授で一般社団法人「石積み学校」の代表理事を

務められています。

2018年に出版された書は1万部超のベストセラーとなり、土木学会の「出版文化賞」に選ばれています。

意外と石積みに興味がある人、若しくは必要とする人が多いんですね。

真田さんの「石積みの普及」、応援します。

図解 誰でも出来る石積み入門
  • 三樂文庫No:041
  • 著者:真田 純子
  • 出版社:一般社団法人 農村漁村文化協会
  • 発行日:2018年12月15日

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文章・写真: 三樂編集部